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「グルーポ・アルカディア」(桃源郷)の演奏は、民族音楽の生の音を大切に守りながら、高度なテクニックと音楽性 豊かなアレンジによって、より素晴らしいものを追求していこうとしています。また、現地のプログループにも例を見 ないほど幅広いレパートリーも特色のひとつです。
私たち「グルーポ・アルカディア」のフォルクローレは、例えどんなに複雑なアレンジをしていても、原曲のもつイメ ージをできる限りそこなわないようにしています。例えばメキシコやパラグアイの、本来はバイオリン、ハープ、トラ
ンペットなどで演奏されるような曲にケーナやギターをフィーチャーしても、刻まれているリズムは間違いなくその国 のものであり、それぞれの国や地方のもっている曲の心を何よりも大切にしています。しかしそれと同時に、外国人に
しかできないこと、狭い意味での地方主義やナショナリズムにとらわれず、自由な感性で音を作っていくことも決して 忘れていません。
これこそが、南米各国のラジオ放送でも使用され、現地のアーティスト達の間にも影響をあたえている「グルーポ・ア ルカディア」の創設当時からのコンセプトであり、豊かな音づくりの為のベースになっているのです。
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渡部 勝喜 (わたなべまさき) |
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十代の頃より 南アメリカ・アンデス山脈地方に伝わるフォルクローレに魅せられ、各種のアンデス民俗楽器の奏法を独学でマスター。インカ帝国時代より伝わる葦笛“ケーナ”を始め
サンポーニャ、アンターラといった管楽器から ティプレ、クアトロ、ボンボなどの弦楽器、打楽器群に到るまで 実に十数種類にも及ぶ楽器を使いこなす。
殊にアルマジロの甲羅を共鳴胴に使った アンデスを代表する弦楽器“チャランゴ”に於いては、現在世界の最高峰奏者であるエルネスト・カブール氏が絶賛、同氏より日本でただ一人という「マエストロ」の称号を受けている。
数回に渡る南米渡航では 現地のTV・ラジオ番組や おもだったフェスティバル、各国のライヴハウスにも出演し、そのフィールドワークを生かした演奏活動によって フォルクローレの普及に努めている。
最近では、若手の育成や一般向けの教室開講に加えて ジャズや純邦楽など他ジャンルとのセッション、幼児音楽教育の分野に於けるコラム執筆や講演、全国各地の教育委員会からの委託による 小・中学校での音楽鑑賞授業、シルバーカレッジ、劇団公演に際しての音楽プロデュースに到るまで 精力的かつ幅広い活動をこなし、各界の注目を集めている。
また 日本のパーカッショニストの草分け的存在として名高い 古谷哲也氏のアフリカンセッションバンドをはじめ、2002年FIFAワールドカップ神戸大会のオープニングを飾るなど 今や神戸を代表する活躍を見せる「和太鼓松村組」の正式メンバーとしての音楽活動も
高い評価を受けている.
平成15年度 兵庫県芸術奨励賞 受賞 受賞
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青木 直之 (あおきなおゆき) |
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関西のフォルクローレ界をリードする 実力者のひとり。
南米各国のリズム様式を全て弾きこなす 的確で優れたギターのテクニックもさることながら、抜群のアレンジによって紡ぎ出される その優美で繊細な音世界は常に音楽構成の中心的役割を担っている。
南米のフォルクローレ・フェスティバルの中でも最大といわれる アルゼンチンの「COSQUIN」に参加した際、著名なケーナ奏者 ラルス・ニルソンに認められ秘蔵の楽器を贈られるなど、ケーナ奏者としての評価も高い。
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井上 暁 (いのうえさとる) |
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フォルクローレの代表的な笛である ケーナとサンポーニャに魅せられ、独学ですべての奏法をマスター。
演奏に使用する笛はすべて自分で制作しその材料を求めて各地を飛び歩くかたわら、親子劇場や小・中学校からの依頼を受けてケーナの制作・演奏の講習会も開いている。
数回に亘る南米渡航の経験によりさらに磨きがかけられたそのサウンドには、他に類を見ない感性とパワーが満ちあふれている。最近ではヒーリングの効果が期待されている「土笛」をオリジナルデザインによって開発、各界の注目を集めている。
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勝野 強 (かつのつとむ) |
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最年少メンバーでありながら 多彩なステージ経験と鋭い音楽感性を持ち、その豊かな表現力で グループ全体のサウンドをより深く 幅広いものにしている。
南米各地を渡り歩く中で 現地の祭礼に参加しての採譜など 積極的なフィールドワークもこなし、日本に於けるフォルクローレ界の次世代を担う存在として
期待されている。
ステージでは主に 絶妙なリズム感と技巧の要求されるヴィエント・セグンダ(ハーモニーパート)を担当するが、現地のプログループ “ムシカ・デ・マエストロス” のメンバーとして磨かれた、力強いサンポーニャのテクニックにも定評がある。
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向 京子 (むかいきょうこ) |
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幼少の頃より声楽とギターを学び、学生時代には より良い音楽環境を求めてスペインに渡航。生来の優れた音楽センスにより 本場のフラメンコを完全習得し、ブラジルを除く南米全域の共通言語であるスペイン語にも精通している。
現在、プロのフラメンコダンサーとしても活躍中であるが、そのリズム感はフォルクローレの表現に欠かせない 各種パーカッションにも生かされている。
飾り気のない素直なボーカルではあるが、その伸びやかで艶のある歌声にはファンも多い。
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